私も転職エージェントのキャリアアドバイザー(CA)として
勤務しておりますが、闇に触れることにしました。
だって、私自身も嫌な思いをしたことがあるから。
だからこそ、自分はそんな対応はしないと決めているけど、
私と同じようなツライ思いをしている人が後を絶たないのが実態。
この記事を読んでくださっている皆さんにはそうなって欲しくないので、
お伝えします。
気合い入れすぎて長くなってしまって申し訳ありません…。
- 転職エージェントのビジネスモデルがわかる
- ダメなキャリアアドバイザー(CA)の実例がわかる
- ダメな転職エージェントの実例がわかる
- ダメなエージェントやCAに当たってしまった時の対処法がわかる
【大前提】転職エージェントのビジネスモデルを知る
転職エージェントの良し悪しを見極める前に、
まずは大前提を押さえておいてほしいです。
それを知っておくことでエージェントの担当者の発言、対応に
「なるほど」と納得できるようになるでしょう。
転職エージェントを利用した転職活動の流れ
- 転職エージェントに登録する
- キャリアアドバイザー(通称:CA)・キャリアコンサルタントと面談する
- 求人を紹介してもらう
- 求人に応募する=書類選考開始
- 面接等の選考を受ける
- 内定
自分1人で転職活動をする時との大きな違いは、(2)の面談。
そして、(3)以降も常にCAと共に進めて行きます。
CAは転職活動のパートナーなのですが、
これがメリットでもあり、デメリットにもなる最大のポイント。
なぜなら、CAも人間だから。
経験・知識・スキル・考え方も違えば、
転職希望者さんとの相性もあるからです。
そして、エージェントに不満を感じやすい方の多くは、
転職エージェントのビジネスモデルをご存じない方が多いように感じます。
キャリアアドバイザー(CA)には営業ノルマがある!
結論から言っておきますが、キャリアアドバイザー(CA)=営業職 です。
転職希望者を自分が紹介した求人企業に入社させることで、
企業から成功報酬を得ます。
それがCAの営業成績となり、会社の売上になります。
非常に残念な話ではありますが、
どこでも良いから自分が紹介した求人企業に入社してくれ!
と考えているCAがいます。
本当に悲しいですが、それが現実です。
ノルマがキツイ転職エージェントに勤務し、成果を上げられていない
CAであればあるほど、そう考えてしまいがちです。
そういうCAが皆さんの担当にならないことを切に願いますが、
誰が当たるかわからない。
だから困るわけです。
最近では、CAのランキングや口コミ評価を公開しているエージェントも
ありますので、1つの指標になるとは思いますが、過信は禁物。
だからこそ、自分に合うエージェントがどういう会社なのか。
自分に合うCAがどういう人なのか。
どういうCAにサポートしてもらいたいのか。
事前にイメージしておくと良いでしょう。
CAのタイプと関係性
あなたが転職活動をする場合、どんなCAにどんなサポートをしてほしいですか?
CAのタイプ | 得意な対応の特徴 |
---|---|
アドバイザータイプ | どんどん助言する |
カウンセラータイプ | 話を聞く、引き出す |
コーチタイプ | 気づきを与え、成長させる |
コンサルタントタイプ | 答えを準備し、ズバッと指摘する |
私自身がCAとして仕事をするうえで得意としているのは、
コーチタイプとコンサルタイプの対応です。
でも、転職希望者様の要望に応えることが”デキるCA”だと思っています。
なので、転職希望者様のご希望に応じて、全てに対応出来るように努めています。
逆に言うと、それがデキないCAは、ダメなCA。
自分の得意な対応しかしない、かつ、自分本位(営業成績重視)なCAが
”デキないCA”だと思っています。
自分自身はもちろん、自分が教育する若手CAにもそのように伝えています。
“デキないCA”には、必ずクレームが来ます。
上司として部下のクレーム対応もしているので、
転職希望者様のご意見をお聞きし、「本当に申し訳ない…」と
こちらも反省しっぱなしです。
“デキないCA”はクレームをもらうだけではなく、
結果的に売上も上がらないことが多いのですが、
良質な求人のおかげでCAの能力に関わらず、
勝手に売上が上がることもあるので、
営業成績だけで判断はできません。
だからこそ、“自分勝手なデキないCA”が世に蔓延っている
ということを知ったうえで、自己防衛をしながら、
自分が心から納得のいく転職活動をしてほしいと思っています。
デキないCAに出会った話
私自身がCAになる前に出会った最悪のエージェントをご紹介します。
本当は社名も挙げたいところだけど、いったん控えておきます。
もちろん、このブログで紹介・オススメしているエージェントではありません。
でも、有名俳優を使って、テレビやネットでCMも流している企業です。
そんなエージェントに私がされて一番嫌だったことは、
勝手に求人に応募されたこと。
しかも、36社!
【経緯】
前述の通り、そのエージェントに登録し、CAと面談をしました。
コロナ前の話なので、都内にある先方のオフィスまで行きました。
CAに自分の経歴や希望を伝えたところ、
5分〜10分ほど待たされた後、
50件ほどの求人票を持ってきました。(紙で)
それを1社10秒くらいの超速スピードで説明され、
3秒程度で“応募したい”・”検討したい”・”応募しない”の
3つに分類するという謎の仕分け作業が開始。
たかだか10秒の説明かつ検討時間3秒で何を決められるんだよ!
と思いつつ、仕方ないので第一印象だけで判断。
私の回答は
- 応募したい=0件
- 検討したい=36件
- 応募しない=14件
「応募しない」14件は、
既に他のエージェントから応募済だったり、
過去の取引先だったりで、諸事情を知りすぎている企業だったので、
すぐに判断できただけです。
「検討したい」の36件は、
その名の通り帰ってから自分でも調べたうえで検討し、
数日以内に改めて連絡しますので、待って下さい。
という意味です。
私が勝手にそう思っていたわけではなく、
しっかりとその旨を言葉で伝え、
「わかりました。ご連絡お待ちしています」という言葉を確認し、
初回の面談は終了したのです。
が、しかし!
面談会場を出て、最寄り駅まで向かうまでの徒歩5分程の間。
電車の乗り換えを調べようと思ってスマホを見たところ、
そのエージェントからのメールの受信通知あり。
メールの内容は「応募しました」と。
? ? ?
エージェントのマイページにログインすると、
先程「検討する」と回答した企業の求人が一覧で掲載されており、
その横の「ステータス」が「応募中」になっていた。
? ? ? ? ?
どゆこと?
意味不明だけど、「検討してから連絡する」と確かに言ったので、
帰ってから改めて調べれば良いか、と思って帰宅。
帰宅後は約束通り提案してもらった求人について調査するも、
1日では調べきれず、続きは明日としてその日は就寝。
そして翌日。
またしてもそのエージェントからのメールを受信。
しかも大量!
メールの内容は
「●社の書類選考に通過しました」とか
「誠に残念ながらお見送りとなりました」とか。
?! ?! ?! ?! ?! ?!
まじか。
ヤラレタ。
最悪だ。
勝手に応募されたことに、ようやく気づきました。
“デキないCA”や”ダメエージェント”に遭遇した時の対処法
遠慮なく「チェンジ!」して下さい。
つまりは担当変更を申し出るということです。
担当CAの上司の連絡先がわかれば、その方に連絡しましょう。
わからなければ、その転職エージェントの代表番号にTELするか、
問い合わせフォームやカスタマーセンター(お客様窓口等)に申し出ましょう。
もちろん、CA本人に直接言う勇気があるなら、言ってokです。
ただ、ダメCAほど、その報告を上司にせず、
クレームを握りつぶす可能性もあり、
解決しない可能性もあるので、
あまりオススメはしません。
事実、私は、直接CAに電話で問い合わせをしました。
書類選考の結果が届いてるんですが、応募しました?
はい。応募しました。
通過の連絡が来てるところは、面接の日程調整するので、スケジュール教えて下さい。
ちょっと待って!
私「応募する」なんて言ってないですよね?
「検討する」って言いましたよね?
「応募しない」と言われたところには応募してないですよ。
「検討する」ってことは、嫌じゃないってことですよね?
だったらどんどん応募した方が内定確率上がるから良いじゃないですか!
書類選考も通過してるし、どんどん面接受けた方が良いですよ!
いやいや、勝手に決めないでよ。
私はそんなこと望んでないし、志望度の低い会社に面接行っても、
企業さんにも迷惑じゃないですか?
あぁ、うちはそういう方針なんですよ。
企業さんにもそう言ってあって、了承もらってるんで大丈夫です。
あ、そうですか。
わかりました。もういいです。
また連絡します。
(電話を切る)
何を言ってもダメだと思いました。
CAに問題があるのではなく、エージェント自体に問題があるのだと。
なので、私はその企業の問い合わせ窓口を調べ、
お客様相談窓口があったので、すぐさまそちらにTEL
そこで経緯を説明したところ、カスタマーサポートの担当者から
謝罪があり、「担当を変更しましょうか?」と言われたのですが、
「担当変更しても御社のスタンスは変わらないですよね?」と
確認したところ「そうですね」と言われたので、退会を申し出ました。
そのうえで、「応募の取り消し」も併せて依頼。
退会したことでマイページが即クローズされてしまったため、
本当に応募の取り消し処理をしてもらったのかはわかりませんが、
もし同じことをされた場合は、しっかりとこのような経緯と
応募されてしまった企業名や求人名の履歴を記録しておきましょう。
そんなエージェントとは付き合いたくないと思っても、
企業や求人には興味があるのであれば、
別のルートから応募し直したいですよね?
再応募をする時に、一度別のエージェントからの応募履歴があったら、
応募を受付けてくれないからです。
でも、経緯と履歴があれば、他のエージェントも応募企業も理解を示し、
再応募を認めてくれます。
自分の限られたチャンスを自分で潰さないように、
しっかりと自己防衛策も覚えておいて下さい。
気をつけたいエージェントの対応3選
- 【応募の段階】とにかくたくさん応募しましょう
- 【面接の段階】面接の練習だと思って、とりあえず受けましょう
- 【内定の段階】●日までに決めないと、内定取り消しになりますよ
1.【応募の段階】とにかくたくさん応募しましょう
私が経験したヤツですね。
「数撃ちゃ当たる」が、100%間違っているとは言いません。
それが合う方もいます。
例えば、鋼のメンタルな方。
たくさん応募する、ということは、
落ちる可能性も上がるということです。
もちろん、どれも自分の希望と能力にマッチしていて、
どの会社で内定もらっても入社したい!
と思えるような企業ばかりにたくさん応募するなら良いかもしれません。
ただ、その企業や求人のことをろくに調べもせず、
手当たり次第に応募すると、無駄に傷つきます。
自分的には「滑り止め」だと思って応募した企業から、
「お見送り」と言われたらどうですか?
しかも、1社のみならず複数から言われたらどうですか?
自信なくなりませんか?
転職のモチベーション下がりませんか?
下がらない!
くよくよせずに次々とこなせる!
という方は、ぜひたくさん応募して、高速でPDCAを回して下さい。
ただ、仮にたくさん通過したら、
それはそれで、時間と体力を奪われるので、
あらかじめご承知おきください。
2.【面接の段階】練習になるから、とりあえず面接しましょう
1の「数撃ちゃ当たる」に近いところですが、
「とりあえず」って何よ、って話です。
また、「面接の練習」って何?って話です。
前述の通り、第一志望でなくても、
内定をもらったら入社する可能性のある企業なら
まだ良いんです。
でも、この会社からは内定もらっても絶対行かない。
年収が今の倍になっても、絶対に行かない。
そんな風に思っている企業の面接が、
第一志望の企業の面接の練習になると思いますか?
第一志望の企業と、興味のない企業の面接に臨むのでは、
テンションも想いも全く違うはずです。
興味のない企業の志望動機、作れますか?
HPやネットの口コミ等を調べて、表面的なことしか
言えないと思います。
それが企業に伝わったら、あっさり落ちますよ。
そして、その結果1と同じことになります。
興味のない企業からのお見送りは、
例えるならば、初対面かつ1ミリもタイプでもない異性から、
たかだか10分話しただけで、突然振られる、
みたいなもんですw
「私・俺の何がわかるんだよよ!」と思うかもしれませんが、
企業からしても同じです。
うちの事なんて興味がないくせに、それっぽいこと言って、
練習に使うなんて失礼だ。
と、企業も思っています。
誰も幸せにならないので、やめましょう。
そして、そんなことを進めるエージェント・CAは無能です。
3.【内定の段階】●日までに決めないと、内定取り消しになりますよ
すごく大事なことなので結論から言いますが、
【内定取り消し】は簡単にできません!
しかも、エージェントが、CAが勝手にそんなこと言えません!
内定取り消しなんて、労働問題。
訴訟ものですよ。
それを企業が、ましてやエージェントのCAが
安易に言えることじゃないんですよ!
いわゆるブラック企業ならありえるかもしれません。
でも、それなら取り消された方が良くないですか?
ブラック企業にどうしても入社したい!
という方でない限りは、その方が幸せだと思います。
つまり、人生の大きな選択である「転職」という決断を、
脅すように決めさせるような会社は、
社員を大切にしない会社だと思います。
また、そのように無理やり決めさせるCAは、“デキないCA”です。
だって、自分都合だから。
前述の通り、CA=営業です。
営業には、月ごと、Q(クオーター=四半期)ごとに締め日があります。
そこまでに目標(ノルマ)を達成しなければなりません。
いずれにしても月末で、
末日または最終週の金曜日であることが多いです。
2022年の10月〜12月のカレンダーで言うと、
10月の締め日は、28日または31日
11月の締め日は、25日または30日
12月の締め日は、23日または仕事納めの日
ということになります。
3月決算の企業であれば、4月から新しい期が始まりますので、
12月は第3四半期(3Q)の締め日となります。
そのため、12月は絶対に達成したい!!と思うCAが増えます。
よって、クロージングが強くなりますので、お気をつけ下さいませ。
まとめ
いかがだったでしょうか。
改めてになりますが、今回の記事は、私自身の転職活動時の実体験と、
私自身が転職エージェントのCAとして勤務する中で、
サポートをさせていただく転職希望者様にお伺いした、
エージェントの実態です。
大切なので何度も言いますが、転職は人生の大きな転機であり、選択です。
様々な転職エージェント・CAがいますが、
最終的に決めるのは、転職をするあなたです。
CAが何と言おうと、最終的に決めて、入社して、働くのは
あなたです。
CAの言うとおりにして入社して、後から後悔しても、
責任は全てあなたになってしまいます。
だから、自分のことは自分で決める。
ちゃんと知って、自分を守る。
エージェントに利用されるのではなく、あなたが利用する
くらいの気持ちでいてください。
遠慮なくワガママを言って下さい。
遠慮なく質問したり、相談して下さい。
それをちゃんと受け止めて、適切な対応ができるCAが
“デキるCA”です。
ダメならすぐにチェンジ!
我慢する必要はありません。
もし、対応に困ったら、遠慮なくご相談下さい。
対応方法についてもアドバイスさせていただきます。
(もちろん無料)
ご意見・ご感想はこちらから
いかがだったでしょうか。
この記事を通じて「しあわせなキャリアを創りたい」「仕事が楽しい!」と感じたいと思っている方々が、前向きに転職活動に臨めるようになれたり、今の仕事に向き合えるようになれたら嬉しいです。
ご意見やご要望がある方は、お問合せフォームからお気軽にご連絡ください。