今までとは違う業界で違う仕事がしてみたいんだけど、
経験がないから無理ですよね?
よくいただく質問ですね。
人材業界経験15年超の私がお答えします!
- 企業の立場で採用活動を理解できる
- 未経験の転職の現実がわかる
- 未経験の転職の成功事例とポイントがわかる
未経験の業界・職種にも転職は出来る!
転職エージェントのキャリアコンサルタントとして、転職活動のお手伝いをしていますが、
未経験の業界・職種への転職を希望される方は結構います。
今まで私がお手伝いした方で、未経験の転職の成功事例の一部をご紹介します。
- 国際線キャビンアテンダント → 大手ゲーム会社のローカライズPM
- 医療機器メーカーの店舗販売員 → IT企業のインフラエンジニア
- 銀行の窓口営業 → SaaS系の営業
- 外資系企業の経理 → 財務会計システムのITコンサル
かくいう私も、「大学病院の栄養士→人材業界の営業職」という全く異なる未経験の業界・職種に転職をした経験があります。
これらの経験を踏まえ、未経験の業界・職種への転職活動について、今回はお伝えしていきます。
企業が採用活動をする目的
未経験の転職を考えるに当たり、まずは企業の立場に立って考えてみたいと思います。
企業が行う採用は、大きく分けて2種類。
・新卒採用
・中途採用
それぞれの違い(メリット・デメリット)は下表の通り。
新卒採用 | 中途採用 | |
---|---|---|
採用対象 | 社会人経験:なし | 社会人経験:あり |
採用コスト | 安い | 高い |
育成コスト | 高い | 安い |
企業文化の浸透 | しやすい | しづらい |
採用時期 | 一括 | 不定期 |
採用期間 | 長い(1年以上) | 短い(1ヶ月程度) |
給与 | ほぼ同じ | 能力次第 |
端的に言ってしまうと、
新卒採用は、会社の未来を作るためのポテンシャル人材の確保
中途は、現在〜近い未来の会社の成長のための即戦力人材の確保
が目的となります。
それぞれの目的に応じ、各企業は必要な人材のタイプや人数の目標を設定し、
お金と時間を使って採用活動を行っています。
逆に言うと、就活をする学生が選考でアピールすべきことは
「私は御社の未来を作ることが出来る人材です!」
になりますし、
転職活動をする方が選考でアピールすべきことは、
「私は御社の成長にいち早く貢献出来る人材です!」
ということになります。
即戦力人材の確保を目的として中途採用をしてる企業が多いということは、「未経験」は不利ってこと?
あ、気づいちゃいました?
そうなんです。
未経験者は圧倒的に不利です。
それをまずは知っておいて欲しかったのです。
未経験の転職に最も必要なことは、覚悟
「精神論かよ!」と言われてしまうかもしれませんが、
「そうです」とお伝えしておきます。
例えば、あなたの大切な人が、大きな病気をして手術をすることになった時、
手術の経験がない医師と、数百件の手術経験があるベテラン医師、
どちらにお願いしますか?
医療費は保険点数で決まるので、どんな医師の手術であっても、支払うお金は同じです。
それならベテラン医師にお任せしたいと思う方の方が多いでしょう。
その方が成功確率が高いと思うからです。
未経験者を採用する企業の気持ちは、まさにこれと同じなのです。
とはいえ、誰でも最初は未経験。
執刀医の助手として下積みを経験し、徐々に手術の難易度を上げながら
執刀医としての経験を積んでいきます。
ただ、その下積みの経験も執刀経験も、誰にも等しく訪れるわけではありません。
積極的に学び、日々努力する姿勢があってこそ、その機会を得られます。
そういう人には優先的にチャンスが巡ってくるのです。
企業も同じで、未経験者であっても、その方の日々の努力から将来性・可能性を
感じられる場合は、チャンスを与えます。
つまり、未経験の業界や仕事で活躍をするために、自ら学び、日々努力する姿勢。
それこそ「覚悟」を持って臨めるか。
その姿勢を企業に示せるかが最も重要になります。
未経験の転職の現実
「覚悟」は精神論だけではありません。
現実的な話をすると、雇用条件です。
未経験で成果が出せる確証がない人に、高いお給料を出すと思いますか?
先程の医師の例で見ても、若手とベテラン医師の年収に差があるのは、
想像に難くないと思います。
同じように、未経験の仕事に就こうと思うと、年収は今より下がる可能性があります。
また、雇用形態についても、正社員からではなく、
契約社員やアルバイトからのスタートになる場合もあります。
この点をリスクと捉えるか、チャレンジ出来るチャンスと捉えるかは、
人それぞれだと思います。
ちなみに、冒頭の事例で紹介した4名の方で、年収が下がってしまった方は、
4名中3名(1〜3の方)です。
かつ、契約社員だった方も1名いらっしゃいます。(1の方)
それでも彼らは望む仕事に就けたことを非常に喜んでおられましたし、
現在も日々楽しくお仕事をされています。
なぜなら、彼らは年収を上げることが転職をしたい最大の理由ではなく、
・やりたいことをやる
・今よりも将来性のある職に就く
・働き方の改善(残業時間の削減・リモートワーク)
等の目的を叶えるための転職を希望される方々だったからです。
未経験で年収UPするコツは、”共通点”をみつけること
残りの1名(4の方)については、未経験だったにも関わらず、年収UPを実現できました。
その理由は、一見全く異なる仕事だと思われる転職前・後の仕事の共通点を見つけ、
ご本人の能力や今後やりたいと思っている方向性と、企業が期待している成果、
お任せしたい業務が完全一致したからです。
4の方の転職前のお仕事は、経理職。
転職後のお仕事は、財務会計システムのITコンサルです。
この2つに共通するのは、「企業のお金の管理」に関わる業務であること。
経理として必要な資格(簿記2級以上)も持っていたし、経理としての実務経験も豊富でした。
かつ、この方はお勤めの会社で使用する会計システムの導入を経営層に提案し、
自らシステム導入のプロジェクトを推進してきました。
何のシステムを導入するか、自ら業者に見積もりを取り、システムの比較検討を実施。
経理部門のみならず、他部署も巻き込みながら社内調整を進め、導入システムを決定。
その後、業者(ITベンダー)とも協力しながら、システム導入からその後の運営までの
一連のプロセスのご経験をお持ちでした。
その過程でITについて学んだり、人を巻き込んでプロジェクトを遂行する能力を身につけ、
それまでは絶対にやり取りすることのなかったITベンダーという業者との折衝も経験。
社内での批判や軋轢も乗り越え、安定稼働まで持っていくとう努力をしました。
当然、今までやっていた経理としての通常業務を並行しながらです。
このような経験は、財務会計システムのITコンサルタントとして、非常に役に立ちます。
ITコンサルタントは、ITを使ってお客様の業務の効率化を実現する仕事です。
お客様の日々の業務を把握し、整理し、適切なITツールを提案、導入します。
この方からすると、今まで社内で手探り状態でやってきた経験を、メインの仕事として体型だった組織と仕組みの中で、お客様である他の企業のために行うことになります。
この方の当初のご希望は、経理として年収UPを目指す転職でした。
もちろん、その通りのご提案もしましたが、
前述したITシステム導入プロジェクトのお話をお伺いした時、
「とても楽しかった」と笑顔でお話いただいたことが、私にはとても印象的だったので、
ITコンサルのお仕事もご紹介させていただきました。
その結果、「経理」と「ITコンサル」の求人の両方に応募し、同時並行で選考を進めて
比較検討していただくことになりました。
いずれもご内定をいただきましたが、「ITコンサル」の方が50万以上高い年収提示があり、
ご本人も積極的にその会社や仕事について調べ、企業にも積極的に質問をし、
理解と興味を深め、最終的にご内定・ご入社となりました。
ご入社後も何度かご連絡をさせていただいておりますが、
とても楽しく仕事をされているそうです。
また、企業様にも時々その方のご様子を伺うのですが、入社半年で大きなプロジェクトを任され、成功に導いたそうで、1年足らずで昇格・昇給を実現されていました。
企業様からも「同じような人、あと3人くらい採用したいです!また紹介してください!」
と、非常にありがたくも多大なるプレッシャーを感じるお言葉を頂戴した次第ですw
未経験の仕事で年収UPするための3つのポイント
未経験での転職の現実と成功例を両方しったうえで、やっぱり年収上げたい!と
思うのであれば、この3つのポイントを押さえて行動してみてください。
1.徹底した自己分析
当ブログをご覧の方にはおなじみ。しつこいと思われるくらい言っておりますが、
やっぱり自己分析が大事です。
全てはここから始まります。
共通点を見つけるためには、まずは今の自分を正しく理解しなければなりません。
そして、それを相手に伝える必要があります。
だから、何が何でも徹底的に自己分析してください。
2.徹底した仕事理解
挑戦したい仕事のことを出来る限り詳細に調べます。
特定の企業があるなら、その企業の採用HPを確認しましょう。
中途採用向けのページはもちろん見てほしいのですが、新卒採用向けのサイトがあれば、
その中の記事も意外と役に立ちます。
新卒採用のサイト=未経験者向けの内容なので、仕事の詳細が書かれていたり、新卒で入った方のサクセスストーリーが掲載されていたりします。
もちろん、中途採用の場合は導入研修が割愛されていたり、求められるスピードが
異なったりしますが、参考にはなると思います。
もちろん、転職サイトの求人票や、転職エージェントに相談するのもおすすめです。
個人的によく拝見しているサイトです。
私が支援させていただく方にもよくご紹介させていただいています。
業界別・職種別に細かく仕事内容・キャリアプラン・年収相場等がまとめられています。
もちろん、これが全てではありませんが、未経験の方にとってはその仕事を垣間見ることができる、とても良いサイトだと思います。
職業別の口コミも見られるのですが、今、口コミを投稿して掲載されると
Amazonギフト1000円分がもらえるようなので、ついでにご紹介しておきます。
3.市場価値とのすり合わせ
ご自身の経験と希望する仕事の共通点を見つけられたら、最後にその仕事の市場価値、
今から始める場合にどの程度の年収からスタート出来るのか?を確認します。
この点は、経験豊富なエージェントに相談するのが良いでしょう。
そもそも今のお仕事内容と、あなたの年収が市場価値にマッチしているのかも確認しないとですね。
そもそも今の仕事の価値を、今の会社が評価してくれていない場合もあります。
それであれば、わざわざ業界や仕事を変えなくても、評価してくれる会社に転職するだけで
年収UPは簡単に出来ます。
ただ、その業界の成長性に不安を感じていたり、新たにチャレンジしたいことがあったり、
新たな仕事にチャレンジすることで、今も将来的にも継続的に年収UPが出来るのであれば、
チャレンジする価値があると思います。
そのような判断は、なかなか自分だけでは出来ないので、
プロに相談しながら一緒に検討していくことをオススメします。
まとめ
いかがだったでしょうか。
最初から「未経験での転職は無理」と決めつけずに、しっかりと自分とその仕事に
向き合うことで、未経験の転職はいくらでも可能です。
そのために、何を目的に転職するのか?転職して本当に叶えたいことは何か?
じっくり考えてみて下さい。
転職のプロであるエージェントに相談することをオススメはしますが、
自分の人生の選択です。
エージェントに誘導されるのではなく、自分の意思を第一に決定し、行動してください。
ご意見・ご感想はこちらから
いかがだったでしょうか。
この記事を通じて「しあわせなキャリアを創りたい」「仕事が楽しい!」と感じたいと思っている方々が、前向きに転職活動に臨めるようになれたり、今の仕事に向き合えるようになれたら嬉しいです。
ご意見やご要望がある方は、お問合せフォームからお気軽にご連絡ください。